ヒマラヤについて
ヒマラヤ山脈(エベレスト付近・上が南南西)
ヒマラヤ山脈(エベレスト付近・上が南南西)
1. ヒマラヤ山脈とは
 ヒマラヤ山脈は、アジアの山脈で、地球上で最も標高の高い地域である。単にヒマラヤということもある。
ヒマラヤは、インド亜大陸と チベット高原を隔てているカラコルム山脈、ヒンズークシ山脈、パミール高原から続く無数の山脈から構成される巨大な山脈である。 ヒマラヤ山脈はブータン、中国、インド、ネパール、パキスタン、アフガニスタンの6つの国にまたがる。また、いずれも最大級の大河であるインダス川、ガンジス川、ブラマプトラ川、長江の水源となっており、このヒマラヤ水系には約7億5千万人の人々が生活している。(これにはバングラデシュの全人口が含まれる。)
ヒマラヤには、エベレストを含む8つの標高8000m級のピーク(独立峰)を含む地球上で最も高い14のピークがある。ヒマラヤ以外でもっとも高いピークはアンデス山脈のアコンカグア(6920m)となる。また、付属峰も含めるとヒマラヤには7000m級の山が100以上も存在する。

2. ヒマラヤ地理情報
 ヒマラヤ山脈の全長は西の ナンガ・パルバット(パキスタン)から、東のナンチェ・バルワまでじつに2400kmに及ぶ。地理学的には、ヒマラヤ山脈は標高と地質によって平行に走る4つの山脈に分類される。4つのうちで最も最近に形成された山脈はサブ・ヒマラヤ山脈と呼ばれ、およそ1200mほどの高さの山で構成されている。この山脈はヒマラヤ山脈の成長に伴って発生した土砂の流出物によって形成されたと考えられている。
 この山脈の北隣に平行に走る形で、ロウワー・ヒマラヤがある。ロウワー・ヒマラヤは2000mから5000mの標高の山々で形成されている。 最も北にあるのがグレート・ヒマラヤで4つの山脈の中で最も古い山脈である。6000m以上のピークを多数有し、世界で最も高いエベレスト、2番目に高いK2、3番目に高いカンチェンジュンガがこの山脈に属している。
 ネパールとブータンの国土のほとんどがヒマラヤ山脈である。パキスタンの バルチザン州、インドのジャンムー州とカシミール州などの北部の州がヒマラヤ山脈の中にある。チベット高原の南東部もヒマラヤ山脈に接しているが、チベット高原そのものは地理学的にはヒマラヤ山脈とは別の山系に分類される。

3. プレートテク二クス
 ヒマラヤ山脈は地球上で最も若い山脈の一つである。 現代のプレートテクトニクス理論によると、ヒマラヤ山脈はインド・オーストラリアプレート とユーラシア・プレートの間の沈み込みで起きた大陸同士の衝突による造山運動から生じた。衝突はおよそ7000万年前後期白亜紀に始った。 そのころ、インド・オーストラリアプレートは15cm/年の速度で北上し、ユーラシア・プレートと衝突した。
 約5000万年前、このインド・オーストラリアプレートの速い動きによって海底の堆積層が隆起し、周縁部には火山が発生してインド大陸とユーラシア大陸の間にあったテーチス海を完全に閉ざした。 これらの堆積岩は軽かったので、プレートの下には沈まずにヒマラヤ山脈を形成した。 今もインド・オーストラリアプレートはチベット高地の下で水平に動いており、その動きは高地に更に押し上げている。 また、ミャンマーのアラカンヨーマ高地とベンガル湾のアンダマン・ニコバル諸島もこの衝突の結果として形成された。
 今もインド・オーストラリアプレートは67mm/年の速度で動いており、今後1000万年の間でアジア大陸に向って1,500km移動するだろうと考えられている。 この動きのうち約20mm/年の分は、ヒマラヤの南の正面を圧縮することによって吸収される。 この結果として約5mm/年の造山運動が発生し、ヒマラヤ山脈を地質学的に活発にしている。 また、このインド亜大陸の動きにより、この地域は地震の多発地帯となっている。